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和菓子は「あん」が命

「粒あん」を製造する時は、さほど感じませんが、「漉し餡」は1日がかりで手間暇と体力がかかり、炊き終わるとドッと疲れがきます。

和菓子の味は、ほぼ「餡」で決まることを考えば決して面倒だなどと言っておられません。まさに味の生命線そのものです。

色々な和菓子がありますが、何が味の違いになるか?
そんなに味の違いが出るのでしょうか?

「お宅の和菓子は一味違う」と時々お客様に言われます。
これは「餡=あん」の違いです。

こしあん説明

どこの店も消費者への売り文句として「手造り、こだわり、目新しい材料」などをアピールしますが、やはり決め手は「あん」です。

和菓子屋にとって製餡(あんを小豆から製造すること)は一番重要な仕事だと信じています。
しかし、時代の流れで自店で製餡する店はごく少なくなりました。

10軒和菓子屋があれば、わずか1軒か2軒しか自家製餡していません。
残念なことですが、これが現状です。

自家製造あん

自家製あんは豆の選定から煮方までこだわれますので、
画一的な味の製あん業者のあんよりそれぞれの店の特色や旨味が出て味わい深いものがあります。

大量生産品の茶碗と一品ものの茶碗の違いのようなものでしょうか。
私自身は自信を持ってどちらが美味しいか断言できます。

もちろん食べる人の食生活や環境、健康状態食べ物に対する認識などにより、味の評価はまちまちになる可能性もあります。

どちらが良い悪いでなく「似て非なるもの」という
違いを分かっていただきたいから説明させて頂きました。

味の良し悪しはともかく、「小豆から自分自身で餡を造る」という作業そのものが和菓子職人だと信じますので、これからも「美味しいあん造り」を最重点に頑張りたいと思います。


製餡工程

手間ひま掛ける

「あん」が和菓子の味を決める一番の要因ですが、
材料の良しあしも、お菓子の味を大きく左右します。

当店では最良の材料をほぼ可能な限り国産のものから選び使います。

出来合いのものも極力使用しません。
店で加工出来るものは手間暇惜しまず自家製造します。


例えば、栗の加工、お正月の「花びら餅」に使うごぼうの加工など数え上げたらかなりの数になります。

材料屋さんが準備した「缶」や「ビン」詰めを使う風潮が多い中、上質を求めて自家加工します。

当店の目指す道とは反対に、現代は効率を重視してか、ホットケーキのミックス粉なような材料まで和菓子屋の中に浸透してきています。

新栗甘露煮(自家製造)

お正月らしいお菓子の代表格「菱花びら餅」に欠かせない「袱紗ごぼう」。
99%は材料屋さんが製造した缶詰めを使用していますが、当店は50年近く前から京都から「ごぼう」を仕入て自家で煮て加工してます。
半日がかりの大変手間のかかる作業ですが、自分の好みのゆで加減(硬さ)、甘さ加減に出来るのでこれからも変える予定はありません。

花びら餅「袱紗ごぼう」自家加工

上品な純白の「薯蕷饅頭」。
まさに和菓子の最高峰と言えます。

最近では粉末にした粉状のものが多いですが、当店では昔ながらに、芋の皮をむき、すりおろして最高の生地を造ります。

薯蕷饅頭(伊勢芋から自家加工)